退職すると決めたのに、いざ書こうとすると手が止まる。
「退職届って、退職願とどっちを出せばいい?」「理由は本当のことを書かないといけない?」「封筒はどう書くんだっけ?」——私が9ヶ月で会社を辞めたとき、同じことを考えて立ち止まりました。
この記事では、退職届の書き方を例文つきで解説します。封筒への入れ方から渡すタイミングまで、実際にやってみてわかったことも含めてお伝えします。
- 退職届と退職願の違いと、どちらを出すべきか
- 退職届に書く5項目と手書き例文
- 退職理由は「一身上の都合」でOKな理由
- 封筒の書き方・折り方・入れ方
- 渡し方・タイミング・郵送でも大丈夫か
退職届と退職願、どちらを出せばいい?
まず「退職届」と「退職願」どちらを用意すればいいか、整理しましょう。名前は似ていますが、意味が少し違います。
退職願は「お願い」、退職届は「通知」
退職願は「辞めさせてください」とお願いする書類で、会社側の承認が前提です。一方、退職届は「辞めます」と通知する書類で、提出すると原則として撤回できません。
| 意味 | 撤回 | 提出タイミング | 文末 | |
|---|---|---|---|---|
| 退職願 | 退職の申し出・お願い | 会社が承認するまで可能 | 口頭で退職を申し出た後 | 「お願い申し上げます」 |
| 退職届 | 退職の確定通知 | 原則として不可 | 会社が承認した後 | 「退職いたします」 |
流れとしては「口頭で退職の意思を伝える→退職願を提出→会社が承認→退職届を提出」が一般的です。ただし会社によっては「退職届だけでOK」「所定のフォームを使って」と案内されることもあります。
会社から指定がある場合はそれに従う
「退職届のフォームはこちらを使ってください」と会社から指定がある場合は、そちらを使えば大丈夫です。フォームの指定がない場合は、自分で便箋に書くか、パソコンで作って構いません。迷ったら、人事部や総務に「退職届はどのような様式で提出すればよいですか?」と確認するのが一番確実です。
退職届の書き方(手書き例文つき)
書き方自体はとてもシンプルです。必要な項目は5つだけ。「むずかしそう」というイメージがありますが、実際には10分もあれば書けます。
手書きかパソコンか、どちらでもいい
退職届を手書きにしなければいけないという法律上のルールはありません。パソコンで作成しても受理されます。
ただ、一般的には手書きの方が「丁寧に作った」という印象を与えやすいのは確かです。字に自信がなくても、ゆっくり丁寧に書けば問題ありません。
会社からパソコン作成を指定された場合はそちらで。特に指定がない場合は、どちらでも大丈夫です。
書く内容は5項目だけ(例文つき)
退職届に書くのは以下の5項目です。縦書きが一般的ですが、横書きでも問題ありません。
- タイトル(「退職届」または「退職願」)
- 書き出し(「私儀」または「私事」)
- 退職理由と退職日
- 提出日・所属・氏名・押印
- 宛名(会社名と代表者名)
退職届
私儀
このたび一身上の都合により、令和○年○月○日をもって
退職いたします。
令和○年○月○日
○○部 ○○課
氏名 ●● ●● ㊞
株式会社○○
代表取締役社長 ○○ ○○ 殿
注意点は2つあります。退職日は「会社と合意した日付」を書くこと、そして宛名は自分の名前より下の位置(縦書きの場合、紙の左端)に書くことです。
退職理由は「一身上の都合」で問題ない
退職届の理由欄は「一身上の都合により」の一文で十分です。本当の理由を書く必要はありません。
私は学歴ハラスメントで適応障害になり、9ヶ月で退職しました。退職届には「一身上の都合により」とだけ書きました。
上司の名前も、ハラスメントのことも、一切書いていません。それで問題なく退職できています。
「ハラスメントが原因なのに『一身上の都合』って嘘をついているみたいで気が引ける」と思う方もいるかもしれません。でも退職届はあくまで手続きの書類。「一身上の都合」で完結します。
封筒の書き方と入れ方
書類ができたら、封筒に入れて提出します。封筒にも少しマナーがあるので、確認しておきましょう。
封筒の選び方
用意するのは、白・無地・郵便番号の枠がない封筒です。サイズはB5用紙を三つ折りにして入れる「長形4号」か、A4を三つ折りにする「長形3号」が一般的です。
市販の普通の白封筒で大丈夫。100円ショップで購入できます。
封筒の表・裏の書き方
- 表面の中央:「退職届」または「退職願」と書く(宛名は不要)
- 裏面の左下:自分の所属部署とフルネームを書く
- 封はしない:フタは折り込む程度でOK(手渡しの場合)
黒のボールペンか万年筆で書きましょう。鉛筆・フリクションペン(消えるボールペン)はNGです。
書類の折り方と入れ方
三つ折りで封筒に入れます。
- 書類を正面に置き、下1/3を上に向かって折る
- 上1/3をかぶせるように下に折る
- 封筒の裏側の上部に書類の「右上(タイトル部分)」がくるように入れる
封筒を開けたときに「退職届」の文字が最初に見えるよう入れる、というイメージです。
退職届の渡し方と提出のタイミング
書けたら次は「いつ・誰に・どうやって渡すか」です。
提出は退職希望日の1〜2ヶ月前が目安
法律(民法627条)では、退職の申し出から2週間で退職できると定められています。ただし多くの会社では就業規則に「1ヶ月前まで」と定めているため、早めに動く方が引き継ぎもスムーズです。
直接渡すのが原則、郵送でも受理される
原則は直属の上司への手渡しです。ただ、「上司が怖くてどうしても直接会いたくない」「すでに診断書を提出して休職中」という状況では、郵送も認められます。
私が退職した方法も郵送でした。心療内科の診断書と退職届をまとめて人事部に郵送し、上司とは一度も退職の話をしないまま退職できました。
- 送り先は「人事部」宛が確実(直属の上司ではなく)
- 簡易書留または内容証明で送ると「届いた証拠」が残る
- 退職日の計算は郵送日か到着日かで変わることがあるため、人事部に事前確認しておくと安心
提出先は直属の上司か人事部
通常は直属の上司に手渡しします。ただし、ハラスメントなど上司に直接渡しにくい事情がある場合は、人事部に直接提出しても構いません。私がそうしたように、「上司を通さずに退職する」ことは可能です。退職を引き止められた時の対処法も参考にしてみてください。
よくある疑問Q&A
Q1. 書き間違えたらどうすればいい?
書き間違えた場合は、修正液・修正テープは使わず、最初から書き直してください。重要な書類なので、きれいに書き直した方が確実です。便箋を2〜3枚余分に用意しておくと安心です。
Q2. 退職届を出した後に撤回できますか?
退職願は、会社が承認するまでであれば撤回できます。一方、退職届は提出後に撤回することが原則として認められません。「やっぱり辞めません」という気持ちになったとしても、会社側が承諾しない限り撤回はできないため、覚悟が決まってから提出するようにしましょう。
Q3. 退職届が書けない・渡せない場合は?
「退職届を書こうとするとパニックになる」「上司に渡す勇気が出ない」という方は、退職代行サービスを利用するという選択肢もあります。退職代行を使えば、書類の準備から会社への連絡まで代行してもらえるため、自分で会社と連絡を取らずに退職できます。
Q4. 「一身上の都合」以外の理由を書く必要はある?
自己都合退職(自分から辞める場合)であれば「一身上の都合」で問題ありません。会社側から詳しい理由を求められることもありますが、退職届への記載は「一身上の都合」だけで十分です。
まとめ:退職届は「一身上の都合」で十分です
退職届の書き方で迷う必要はありません。シンプルな書類です。
- 退職願は「お願い」、退職届は「通知」。会社指定があればそれに従う
- 理由は「一身上の都合」の一文でOK。本当の理由は書かなくていい
- 封筒は白・無地・郵便番号枠なし。手書きかパソコンかは問わない
- 提出は1〜2ヶ月前が目安。直接渡せない場合は郵送(人事部宛・簡易書留)も可
- 書き間違えたら書き直し。修正液はNG
私も退職届を書くときは不安でした。でも一度書き始めると、「こんなにシンプルでいいんだ」と気づきます。あの書類一枚が、新しいスタートへの切符でした。退職後にやること・手続きチェックリストも合わせて読んでいただけると、退職後の流れがつかみやすくなると思います。

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