「会社に行きたくない。もう限界かもしれない」
そう感じているあなたに、まず知っておいてほしいことがあります。
心療内科でもらう診断書は、辛い時に会社を休むためだけの紙ではありません。「もう無理」と感じた時に、あなたを守ってくれる一番確かな盾になります。
わたしは10年前、品質管理の職場で心を壊し、診断書を手に入社9ヶ月で退職しました。あの時、診断書がなかったら、今もまだあの会社にいて、おそらくもっと心は大きく壊れていたと思います。
この記事では、当時のわたしが知りたかった「診断書のもらい方」と「会社への出し方」を、体験をもとにまとめます。
診断書があると、辞めるハードルが劇的に下がる理由
「退職するのに診断書なんているの?」と思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、診断書があるとないとでは、辞める時のストレスが全然違います。
- 有給消化を断られにくくなる
- 退職理由を細かく説明しなくていい
- 上司と直接話さずに退職手続きができる
- 退職後に傷病手当金・失業保険で優遇される可能性がある
特に大きいのは、一番上の「上司と直接話さずに辞められる」です。
辞めたいのに辞められない理由の多くは、「上司にどう切り出したらいいかわからない」という一点に集約されていると、わたしは思っています。診断書は、その最後のハードルを取り払ってくれます。
わたしが心療内科に行けなかった理由
「そんなに大げさなことじゃない」と自分に言い聞かせていた
体の異変はずいぶん前から出ていたのに、わたしはなかなか病院に行けませんでした。
理由は、シンプルです。
「心療内科に行くほどじゃない」
「病名がつくのが怖い」
「自分はただ甘えているだけかも」
今なら、3つの「思い込み」が自分を一番追い詰めていたとわかります。しかし、当時は本気でそう信じていました。
背中を押してくれたのは、母の一言だった
限界を迎えた日、母に全部を話しました。
母は特別なことを言ったわけではありません。ただ一言、「病院に行こう」と言ってくれました。
もし、あなたがこの記事を読んでいて、「病院に行くほどじゃない」と感じているなら、一つだけ伝えさせてください。
「病院に行くほどじゃない」と思っている時点で、もう十分つらいです。
行きましょう。
心療内科で診断書をもらう5つのステップ
ここからは、わたしが実際に通った流れを、時系列でまとめます。
ステップ1:病院の選び方
「心療内科」と「精神科」の違いでつまづく方が多いですが、退職目的なら、どちらでも診断書は出してもらえます。
- 自宅から無理なく通える距離にあるか
- ホームページで「診断書 対応」などの記載があるか
- 初診の予約が取れるか(心療内科は1〜2ヶ月待ちの場合あり)
- 口コミで「話をじっくり聞いてくれる」と評判の医師がいるか
注意したいのは、「心療内科の初診は混みやすい」という点です。わたしが通った病院は、運よく翌日予約が取れましたが、都市部では数週間〜1ヶ月待ちも珍しくありません。
「もう限界だけど初診が先」という場合は、最近はオンラインカウンセリングで医師と話せるサービスもあるので、並行して検討してもいいと思います。
ステップ2:予約の電話、話すことはこれだけでいい
予約の電話、本当に怖いですよね。わたしも電話するのに、とてもドキドキしました。
でも、心療内科の受付の方は、電話で泣いている人、うまく話せない人を毎日見慣れています。
伝えることは、3つだけ。
- 「初診の予約をお願いしたい」
- 「仕事の人間関係でつらくて、眠れない・食べられない状態」
- 「できるだけ早く診てほしい」
電話が本当に無理なら、家族に代わりにかけてもらうのもアリです。
ステップ3:初診で話すこと(メモしておくと楽)
初診当日、診察室でうまく話せるか不安な方へ。事前に紙やスマホにメモを書いていくと、落ち着いて話せます。
- いつから症状が出始めたか
- 仕事でつらいと感じる具体的な出来事
- 具体的な症状(眠れない、食べられない、涙、など)
- 「退職を考えている」という意思
- 診断書がほしい旨(医師から先に提案されることも多い)
わたしは「退職を考えている」と自分から言えませんでした。でも症状を話しただけで、先生の方から「このまま働き続けようと考えていますか?」と言ってくれました。
少し迷いながらも「いいえ」と答えると、先生は診断書を出してくれたのです。
心療内科の先生は、こういう状況に慣れています。自分で退職を切り出せなくても、大丈夫。
ステップ4:診断書はその日〜1週間程度でもらえることが多い
診断書の発行までは、病院によって差がありますが、わたしの場合は初診その日に、その場で書いてもらえました。
診断名は「適応障害」。「会社の環境が主な原因で、就業継続が困難」という内容でした。
病院によっては数日〜1週間かかる場合もあるので、予約の電話で「診断書がほしい」と伝えておくとスムーズです。
ステップ5:費用は3,000〜5,000円が相場
診断書は自費診療扱いなので、健康保険は使えません。
相場は以下のとおり。
- 一般的な診断書: 3,000円〜5,000円
- 傷病手当金用の書式: 5,000円〜10,000円
- 初診料+診察料: 保険適用で1,500〜3,000円程度
合計で5,000〜10,000円ほどを想定しておけば良いでしょう。
診断書を会社に提出するときの3つのポイント
ポイント1:上司ではなく、人事部に直接送る
診断書を直属の上司に渡す必要はありません。というより、上司に渡すとトラブルの元です。
わたしは会社の人事部に電話して、「診断書を郵送で送る」と伝えてから、書留で送りました。
一度も会社に出社せず、一度も上司と話さずに、退職手続きが進んでいきました。
ポイント2:退職届と一緒に送る
診断書だけを先に出して様子を見る、という方もいますが、わたしは診断書と退職届を同じ封筒で一緒に送りました。
理由は、「休職扱い」にされて引き延ばされるのを避けたかったから。
辞める意思がもう固まっているなら、診断書+退職届のセットで一気に進めた方が、精神的に楽です。
ポイント3:コピーを必ず手元に残す
診断書の原本を送る前に、必ずコピー(スマホ撮影でもOK)を取っておいてください。
退職後、失業保険の申請や、転職活動で「前職を辞めた事情の説明」が必要になったとき、診断書のコピーがあると話がスムーズに進みます。
「病院に行くのも無理」という人へ
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「病院に行く気力すらない」
「電話もできないくらい、追い詰められている」
「会社に連絡するのも怖い」
そこまで追い詰められている方は、退職代行という選択肢を、躊躇なく使っていいと思います。
10年前のわたしの時代には、退職代行はまだ一般的ではありませんでした。でも今は、LINE一本で退職手続きのすべてを代わりにやってくれるサービスが当たり前にあります。
退職代行を使えば、
- 会社に電話しなくていい
- 上司と二度と話さなくていい
- 診断書がなくても退職できる
詳しい比較は別記事にまとめるつもりですが、「もう何も考えられない、ただ辞めたい」という方は、調べる段階で止まらずに使っていいサービスだと思っています。
よくある疑問Q&A
Q. 嘘の症状だと思われないか心配です
心療内科の先生は、「症状を大げさに話す人」よりも「つらいのに『大丈夫です』と言ってしまう人」の方が圧倒的に多いと知っています。
わたしも初診の先生から「もっと早く来てよかったですね」と言われた口です。嘘を疑われる心配は、ほぼありません。
Q. 診断書を出すと、会社に病名がバレますか?
基本的に、診断書には診断名(適応障害など)が記載されます。
ただし、人事部以外に回覧されることは通常ありません。守秘義務がありますし、万が一同僚に病名が漏れたら会社側のコンプライアンス違反になります。
Q. 診断書があれば傷病手当金はもらえますか?
条件を満たせば、もらえます。ざっくりの条件は、
- 健康保険に1年以上加入している
- 連続3日以上の欠勤がある
- 医師の「労務不能」の証明がある
退職してからも最長1年6ヶ月、給料の2/3ほどの手当金がもらえる制度なので、該当する方は必ず活用してください。詳細は別記事にまとめます。
まとめ|診断書は、あなたの身を守る「合法の盾」
診断書のもらい方を、まとめます。
- 通える距離の心療内科を選ぶ
- 予約の電話で「仕事がつらい」と伝える
- 初診はメモを持って、正直に症状を話す
- その場で診断書を依頼(自分から言えなくてもOK)
- 費用は5,000〜10,000円を用意
診断書は、ただの紙ではありません。
「辞めたい」と言い出せないあなたの代わりに会社と向き合ってくれる、合法で、誰にも文句を言わせない盾です。
わたしは10年前、この「盾」を手に入れたおかげで、あの職場から無傷で抜け出すことができました。そして今、穏やかな日々を送っています。
心療内科の予約ボタンを押すのは、今日でも、明日でも、遅すぎることはありません。
少しずつ、前を向いていきましょう。

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