「辞めたい理由は『人間関係』。でも、上司や人事に本当のことを全部話していいのかな」
退職を決めた時、多くの人がこの悩みに突き当たります。
わたしは10年前、院卒様ハラスメントで心が壊れて退職しました。正直に「あの上司のせいで体調を崩しました」と伝えるべきか、当たり障りのない理由で済ませるべきか。最後まで悩みました。
結論、わたしがたどり着いた答えは、「話すべき相手には本音、それ以外には建前」というシンプルなルール。
この記事では、当時のわたしが欲しかった「人間関係で辞めるときの伝え方」と、「次こそ同じ失敗をしない転職の進め方」の2つを、まとめて紹介します。
【結論】人間関係を理由に退職する時、本音を全員に伝えなくていい!
「退職理由の本音を、会社の全員に伝える必要はありません。」
ここで大事なのは、「話すべき相手」と「話さなくていい相手」を分けることです。
本音を話していい相手は「ごく一部」でいい
- 心療内科の医師・カウンセラー
- 人事部の中で誠実に対応してくれる人
- 自分を本当に心配してくれる家族・友人
- 転職エージェントの担当者(これは後で詳しく)
それ以外の相手、たとえば直属の上司、同僚、噂話を面白がる人には、本音を伝える義務はありません。
本音を話しすぎると、こんなリスクがある
わたしが退職する時に痛感した、本音を話しすぎるリスクです。
- 引き止めが長引く(部署異動の提案で話がループする)
- 病み上がりの心をさらに削る(説明するほど傷が開く)
- 当事者から逆恨みされる(噂が回り回って当事者に届く)
わたしは退職時、副社長には本音で話しました。ただ、それ以外の上司や同僚には建前の理由しか伝えませんでした。それでもあとから社内で別の噂が立ち、想定外の逆恨みに怯える羽目になりました。
このあたりの詳しい話は、当ブログの体験談記事にまとめています。
角を立てない退職理由の伝え方【例文あり】
では、本音を伏せて建前を伝える時、具体的にどう言えばいいのか。わたしが実際に使った、または「こう言っておけばよかった」と思う例文を場面別にまとめます。
直属の上司に伝える時
一番神経を使うのが、この場面ですよね。
ポイントは、「体調」と「前向きな言葉」を軸にすること。
「大変申し訳ございません。体調を崩してしまい、医師とも相談した結果、一度療養に専念した方がいいという判断になりました。今後のキャリアを見つめ直す時間も必要と感じているため、退職させていただきたくお願いいたします。」
この言い方のいいところは、「上司を責めていない」のに「もう議論の余地がない」と伝わるところです。医師の判断を出されたら、上司側も引き止めの材料を失います。
人事部に伝える時
人事部には、上司に話すよりも少し具体的に話して大丈夫です。人事部は労務管理が仕事なので、「職場のストレスで体調を崩した」と伝えても、基本的に守秘義務を守ってくれます。
「職場の人間関係による強いストレスで体調を崩し、心療内科で適応障害と診断されました。環境を変えることが回復に必要という医師の判断もあり、退職させていただきたくお願いします。」
ここでは診断名も添えておくと、手続きがスムーズに進みます。診断書を添付できる状態なら、なお話が早いです。
同僚や先輩に聞かれた時
一番スルーしていい相手が、ここです。
「体調を崩してしまって…。今まで本当にお世話になりました。」
これだけで十分です。「詳しくは言えないけど察してください」のニュアンスを添えれば、ほとんどの人はそれ以上踏み込んできません。
踏み込んでくる人は、あなたを心配しているのではなく、話のネタが欲しいだけの可能性が高いです。無理に応える必要はありません。
伝えるタイミングと場所の選び方
伝える場面の作り方も、意外と大事です。
- 上司に伝えるのは、繁忙期を避けて午後の落ち着いた時間に
- メール・口頭どちらでも可だが、記録が残るメールが無難
- 退職希望日は「1〜2ヶ月先」で提示(法的には2週間でOK)
- 話すのがどうしても無理なら、診断書+退職届を郵送する
わたしは結果的に「診断書と退職届を人事部に郵送する」という形を取りました。上司と対面で話さずに済んだことは、病み上がりの心にとって本当に救いでした。
次の職場で同じ失敗を繰り返さないために
人間関係で退職する方の多くが抱える、ひそかな不安があります。
「次の職場でも、また同じような上司に当たったらどうしよう」
わたしも10年前、次の転職先を探すとき、これが一番怖かった。求人票を見ても、会社の本当の空気なんてわかりません。面接で「風通しがいい職場です」と言われても、入ってみたら真逆なんてザラにあります。
「次こそ失敗しない」ために必要な2つのこと
- 自分が「絶対に避けたい職場条件」を言語化する
- 求人票ではわからない「社内の空気」を知る方法を持つ
それぞれ、順番に見ていきます。
「絶対に避けたい職場条件」を3つ書き出す
これは「理想の職場」を考えるより先に、ぜひやってほしい作業です。
前職で何が一番しんどかったのか、紙に書き出してみてください。「避けたい条件」が明確になれば、次の職場選びで迷わなくなります。
わたしの場合は、こんな感じでした。
- 質問を「恥」とする文化の職場
- 学歴で人を判断する空気がある職場
- 上司との相性が仕事の評価を左右する少人数部署
この3つを避けると決めて転職活動を始めたら、応募する求人がぐっと絞られて、迷う時間が減りました。
「社内の空気」は求人票ではわからない
避けたい条件が決まっても、問題はあります。
求人票には、「うちは学歴で人を判断します」「質問すると怒られます」なんて絶対に書いてありません。むしろ、どの求人も「風通しがよく・成長できる・若手が活躍」という同じような言葉で飾られています。
一人で転職活動をしていた10年前のわたしは、ここで本当に困りました。結果的にどの会社も同じに見えて、「面接の印象」だけで次を決めてしまったのです。
幸い、次の職場は10年続けられる環境でしたが、これは運がよかっただけ。今振り返ると、もっと効率よく「社内の空気」を調べる方法がありました。
転職エージェントを使うべき理由
結論、人間関係で退職した人こそ、転職エージェントを使うべきだと思います。
転職エージェントでできる5つのこと
- 求人票に出ない「社内の雰囲気」を教えてもらえる
- 面接日程・書類添削・条件交渉を代行してもらえる
- 利用料は完全無料(報酬は採用側の企業から支払われる)
- 人間関係の退職理由を「どう面接で伝えるか」を一緒に考えてくれる
- 過去に退職者が出やすい企業の「避けた方がいい求人」を共有してもらえる
特に大事なのが、「社内の空気を教えてもらえる」という点です。
転職エージェントの担当者は、過去に自分が送り込んだ人がその会社でどう働いているかを把握しています。「この会社はパワハラ上司が有名だから避けた方がいい」「この部署は女性が多くて働きやすい」といった、求人票には絶対に載らない情報を持っているのです。
「人間関係が理由」を面接でどう伝えるか
転職活動で多くの人がつまづくのが、面接での退職理由の伝え方です。
「前職は人間関係がつらくて辞めました」と正直に言うと、採用側は「うちでも人間関係でつまづいて辞めるのでは」と不安になります。これは採用側の心理として、仕方のない部分です。
でも、嘘をつく必要はありません。「人間関係」を「自分の成長環境」という言葉に翻訳するのがコツです。
「前職では、質問や改善提案がしづらい空気があり、自分のスキルを伸ばすには環境を変える必要があると感じました。御社のような、若手の意見を取り入れて改善を進める文化の会社で、もう一度成長したいと思っています。」
この言い換え方を一人で考えるのは、意外とむずかしい。エージェントの担当者は、こういう面接用の翻訳を一緒に作り上げてくれます。
女性におすすめのエージェントの選び方
転職エージェントは、大きく分けて2種類あります。
- 総合型: 幅広い業界の求人を扱う(リクルート・マイナビ・dodaなど)
- 特化型: 業界・年代・属性に特化(女性向け・第二新卒向け・クリエイター向け など)
人間関係で退職した方におすすめなのは、総合型1社+特化型1社の組み合わせです。
総合型は、求人の幅が広く「選択肢を知る」のに便利。特化型は、あなたの状況(女性・20代・ハラスメントで退職)に合わせた相談がしやすい、という違いがあります。
わたしは10年前、マイナビ1社だけ使いました。あの時にもう1社、女性向けの特化型エージェントを併用していたら、もっと自分に合った求人と出会えたかもしれません。
エージェント利用で気をつけたい2つのこと
メリットが大きい一方で、エージェント利用で気をつけたいことも正直にお伝えしておきます。
- 担当者との相性が合わないときは、遠慮なく変更を申し出ていい
- 「早く入社してほしい」と急かされても、自分のペースを優先する
エージェントは企業から報酬をもらって成り立っているビジネスです。担当者の中には、成約を急ぐあまり強引になる人もいます。違和感があれば、遠慮なく担当変更をお願いしましょう。
よくある疑問Q&A
Q. 診断書のことは転職先に伝えるべき?
結論、伝える義務はありません。
診断書は、前職との関係で発行された書類です。次の職場に提出する必要もなければ、面接で自己申告する必要もありません。ただし、仕事に支障が出る可能性がある症状(強い睡眠障害・服薬が続いている など)は、入社後のフォローのために人事に相談しておくと安心です。
Q. ブランクがあると転職できないですか?
そんなことはありません。
半年〜1年のブランクは、現在の転職市場では「珍しくない」範囲に入っています。大事なのはブランク期間に何を考えていたか、どう過ごしていたかを自分の言葉で説明できること。エージェントの担当者は、この部分の言語化も手伝ってくれます。
Q. 在職中と退職後、どちらで転職活動した方がいい?
心身の余裕があれば、在職中の転職活動の方が金銭的に安心です。ただし、すでに限界近くまで追い詰められている方は、一度退職して心を休めてからの方が、冷静な判断ができることもあります。
わたしは診断書を取って退職し、有給消化で1ヶ月ほど休んでから転職活動を始めました。結果的にこの休息期間があったことで、次の職場を冷静に選べたと思っています。
まとめ|「伝え方」と「次の選び方」で、退職の未来は変わる
- 本音は「一部の相手」だけ、それ以外には建前でOK
- 退職理由は「体調」と「前向きな言葉」を軸にする
- 次の失敗を防ぐには「避けたい条件」を言語化する
- 人間関係で辞めた人こそ、エージェントの「社内の空気情報」が役立つ
退職は、ゴールではありません。次の職場で、あなたがのびのび働けることがゴールです。
10年前のわたしは、とにかく「今の会社から逃げ出すこと」しか考えられませんでした。でも、あの退職があったから、今の落ち着いた環境にたどり着けたのも事実です。
辛い決断をする時期だからこそ、一人で抱え込まないでくださいね。エージェントでも、カウンセラーでも、家族でも、誰かに「伴走してもらう」選択を、自分に許してあげてほしいと思います。
あなたの次の職場が、心から笑える場所になりますように。

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