五月病で仕事を辞めたいと思ったら読む記事|経験者が10年後に伝えたいこと

GW明けの月曜日、目が覚めた瞬間に「あ、また今日から仕事だ」と気づいて、胸が重くなる。

そんな感覚が今年は特に強い、という方がいたら、この記事を最後まで読んでみてください。

私は35歳の事務員です。20代のころ、最初の職場で適応障害になり、9ヶ月で会社を辞めました。あのとき「甘えているのかな」と何度も自分を責めました。でも辞めてから10年が経った今、あの選択は正しかったと思っています。

この記事では、五月病で仕事を辞めたいと感じているあなたに向けて、「辞めていいかどうかの判断基準」「辞めた後の現実」「具体的な最初の一歩」を、実体験をもとに正直にお話しします。

この記事でわかること
  • 五月病と適応障害の違いを自分でチェックする方法
  • 「辞めるべきか続けるべきか」の判断フロー
  • 辞めた後10年経った私の正直な感想
  • 退職を決めたときに最初にやること3つ
目次

GW明けに「もう無理」と感じるのは、甘えじゃない

「ゴールデンウィークが終わったのに、なぜこんなに体が重いんだろう」と感じているなら、まず伝えたいことがあります。

それは「あなたがおかしいわけではない」ということです。

五月病経験者の約6割が「会社を辞めたい」と思った経験がある

識学がITmedia向けに2022年に行った調査によると、五月病を経験したことがある人のうち、約6割が「会社を辞めたい」と思ったことがあると回答しています。

またマイナビが2026年に正社員21,761人を対象に行った調査では、五月病の経験者のうち約4割が転職を検討し、実際に転職した人は21%にのぼります。

さらに、ヘルスケアテクノロジーズの調査(会社員1,276人対象・2023年)では、五月病の自覚がある20代のうち約39.5%が休職を、また約39.5%が退職を経験していることがわかっています。

つまり、「五月病で仕事を辞めたい」と感じることは、決して特別なことでも、甘えでもありません。同じように感じている人が、あなたの周りにもたくさんいます。

もし「自分だけがこんなにつらいのかな」と孤独を感じていたなら、まずその気持ちを手放してください。

私が9ヶ月で会社を辞めた時、最初に出たのは「体のサイン」だった

最初は「なんとなく疲れやすいな」という感覚でした。

朝、アラームが鳴るたびに心臓がドキドキして、起き上がれない日が続きました。会社に向かう車の中で涙が出てきて、自分でも理由がわからなかったのを覚えています。食欲がなくなり、夜も眠れなくて、でも「これくらいで弱音を吐いてはいけない」と自分に言い聞かせていました。

体のサインが先に出てくる、というのは五月病や適応障害でよくあることです。「気持ちの問題」と思っていたのに、実は体が先にSOSを出していた、というパターンはとても多いのです。

限界のサインが7つ以上出ていたら要注意です。こちらの記事も参考にしてみてください。

「五月病」なのか「適応障害」なのか、自分でわかる3つの違い

「五月病かな」と思っているあなたに、一つ聞いてみたいことがあります。

今のつらさは、休日にも続いていますか?

この質問への答えが、五月病と適応障害を見分ける大きなヒントになります。

「休日に好きなことを楽しめるか」で大きく変わる

五月病は、医学的な診断名ではなく「GW明けに気力が低下する状態」を指す言葉です。多くの場合、休日になると気分が楽になり、好きなことを楽しめるという特徴があります。

一方で適応障害は、職場という環境から離れていても症状が続きます。休日も気分が重く、趣味に集中できない、好きな食べ物を食べても楽しくない、という状態が続くなら、五月病の域を超えているかもしれません。

  • 休日は気分が楽になる → 五月病の可能性が高い
  • 休日も気分が重い・楽しめない → 適応障害の可能性がある
  • 症状が2週間以上続いている → 医療機関への相談を検討する
  • 朝起きられない・食欲がない・眠れないが続く → 早めに動いてほしい

症状が2週間以上続くなら「五月病」ではないかもしれない

五月病は、一般的に2〜3週間で自然に回復するといわれています。逆に言えば、2週間以上経っても症状が改善しない、あるいは悪化しているなら、五月病ではなく別の状態が始まっている可能性があります

「病院に行くほどでもないかな」と思う気持ちはよくわかります。私もそう思っていました。でも心療内科は、「もう限界です」という人だけが行く場所ではありません。「最近なんか調子が悪くて」という状態でも診てもらえます。

むしろ早めに行っておくほうが、診断書を取得しやすく、その後の手続きもスムーズになります。

「消えてしまいたい」が一瞬でも浮かんだら、今すぐ動いていい

「消えてしまいたい」「もう何もかも終わりにしたい」という気持ちが一瞬でも浮かんだなら、それは五月病の話ではなくなっています。今すぐ、今日中に、誰かに連絡してください。

かかりつけ医でも、心療内科でも、家族でも、信頼できる友人でも構いません。一人で抱え込まないことが、最初の一歩です。

「続けるべきか、辞めるべきか」迷っている人への判断フロー

「もう少し様子を見て」「3年は続けないと」と言われて、気づいたら半年が過ぎていた——そういう人はとても多いです。

でも「様子を見る」にも、目安があります。

この3つに当てはまったら、辞めることを真剣に考えていい

次の3つのチェックポイントを確認してみてください。

チェック1:身体症状が出ている
眠れない、食欲がない、出社前に腹痛や動悸がある、涙が止まらない、などの体の変化が出ていますか?

チェック2:2週間以上続いている
「今週だけ調子が悪い」ではなく、GW明けからずっとこの状態が続いていますか?

チェック3:休日も楽しめない
土日になっても気分が晴れない、趣味に興味が持てない、という状態ですか?

3つすべてに当てはまるなら、「もう少し頑張る」ではなく「辞めることを選択肢に入れる」タイミングです。

頑張ることで状態が改善するのは、まだ余力がある時だけです。体と心が限界に来ているときに頑張り続けると、回復に何倍もの時間がかかります。

「休職か退職か、どちらを選ぶべきか」迷っている方は、こちらの記事も読んでみてください。

GW明け1週目・2週目・1ヶ月後のタイムラインで見る「自然回復」の目安

「もう少し待てば治るかもしれない」という気持ちはわかります。だからこそ、「いつまで待つか」の目安を伝えておきます。

GW明け1週目:体が重い、気が乗らない、という状態は多くの人が経験します。この段階では「様子を見る」でも問題ありません。

GW明け2週目:少しずつ体が慣れてきて、気分が上向く人は多いです。ここで改善の兆しがあるなら、五月病として自然回復する可能性があります。

GW明け1ヶ月後:ここまで症状が続いているなら、自然回復を待つより、行動を起こすことを検討してください。1ヶ月経っても改善しない状態は、「様子を見れば治る」のではなく、環境や状況そのものが体に合っていないサインです。

「あと1週間だけ」「来月になったら変わるかも」と思い続けて、半年・1年と過ぎていくパターンは、本当によくあります。タイムラインを持っておくことで、「いつ決断するか」が明確になります。

「甘えだ」と言う親や上司には、この言葉を使ってみてください

「そんなことで辞めるなんて甘えだ」「若いうちの苦労は買ってでもしろ」

そう言われて、自分を責めてしまうことはありますか。私も言われました。

でも覚えておいてほしいのは、「甘え」と「限界」は、外から見ると区別がつかないということです。体のサインを無視して頑張り続けることが美徳だった時代の価値観で、今のあなたの状態を判断しようとしている人がいても、その言葉に引きずられる必要はありません。

もし親や上司に説明しなければならない場面があれば、こんな言い方を試してみてください。

使える一言

「気持ちの問題ではなく、身体に症状が出ています。眠れない・食べられない状態が続いているので、医師に診てもらいたいと思っています」

感情論ではなく、身体の状態として伝えることで、「甘え」という言葉を返しにくくなります。

適応障害で辞めた後の現実

「辞めたら後悔するよ」と言われると、怖くなりますよね。

でも、辞めた人間が10年後にどうなったか、正直に話させてください。

辞めた直後に感じた「安堵と焦り」

退職の手続きを終えた日、最初に感じたのは「安堵」でした。

私は診断書を人事部に郵送するという方法で退職しました。上司と直接話すことは一度もありませんでした。それがどれほど自分にとって楽だったか、今でも覚えています。

ただ、安堵と同時に「これで良かったのだろうか」という焦りも来ました。「また働けるだろうか」「短期間で辞めた私を、誰かが雇ってくれるだろうか」という不安が、最初の数週間は頭をぐるぐるしていました。

その不安は、嘘をついても「ない」とは言えません。でも3ヶ月ほどゆっくり休んでいるうちに、体の回復とともに気持ちも少しずつ落ち着いてきました。「次のことは、体が戻ってから考えよう」と決めたことが、結果的には正解でした。

短期離職は転職で不利になる?(結論:なりにくい)

「9ヶ月で辞めたら、転職活動でボロボロに言われるんじゃないか」と思っていました。

でも実際には、そこまで深刻ではありませんでした。

退職代行サービスのモームリが2024年度に発表したデータによると、同社を利用した新卒の退職者1,814名のうち、44%が4〜6月の3ヶ月間に退職しています。5月が最多で298名、つまりGW明けに退職する新卒は毎年大勢います。

短期離職はもはや珍しくありません。採用担当者もそれを知っています。大切なのは「なぜ辞めたか」を自分の言葉で話せること、そして「次の職場ではどうしたいか」を伝えられることです。

転職活動では、適応障害という診断を正直に全部話す必要はありません。「体調を崩したため退職し、回復後に転職活動を始めました」という説明で、多くの場合は問題ありませんでした。

辞めて10年経った今、「辞めて正解だった」と言える理由

今の職場に転職してから、10年が経ちます。

人間関係は穏やかで、あの頃のような涙は一粒もこぼしていません。毎朝、職場に行くことへの恐怖感がない、というのがどれだけありがたいことか、当時の自分に教えてあげたいくらいです。

転職先を選ぶ時に意識したのは、「職場の雰囲気」でした。給与よりも、働いている人が穏やかかどうかを優先しました。その選択が正しかったと、10年後の今も思います。

辞めると決めたら、最初にやること3つ

決意がゆらぐ前に、具体的な一歩を踏み出しましょう。

「辞めたいけど、何から始めればいいかわからない」という状態のまま時間が過ぎると、気力がさらに落ちていきます。まず動くこと、それが一番大切です。

心療内科で診断書をもらう(上司と話さなくて済む方法)

「辞めると言いたいけど、上司と話すのが怖い」という方に、知っておいてほしいことがあります。

診断書があれば、人事部に書類を送るだけで退職できる場合があります。

私はこの方法で退職しました。心療内科を受診して診断書を取得し、就業規則に従った退職届と診断書を人事部に郵送する形で、上司と一度も直接話すことなく退職できました。

「上司と話したら引き止められる」「顔を合わせるのがつらい」という方は、まず心療内科に行くことを最初の一歩にしてください。

診断書を使って退職する具体的な手順は、こちらの記事で詳しく解説しています。

退職代行を使うという選択肢

「診断書を取る余裕もない」「電話一本かけるのも怖い」という状態なら、退職代行という手段があります。

退職代行は、本人の代わりに退職の意思を会社に伝えてくれるサービスです。「逃げ」でも「卑怯」でもなく、合法的に使える正当な手段です。

利用者の増加を見ると、退職代行モームリでは2024年度の新卒利用者だけで1,800名以上にのぼります。特にGW明けの5月が最多で、利用者数は298名でした。それほど多くの人が使っている、一般的なサービスになっています。

女性向けの退職代行サービスについて、こちらの記事で詳しく紹介しています。

辞める前に失業給付の受給条件を確認する

退職を決める前に、一つだけ確認しておいてほしいことがあります。それが「失業給付(失業保険)の受給条件」です。

2025年4月の法改正により、自己都合退職の場合の給付制限期間は原則1ヶ月に短縮されました(改正前は2ヶ月)。ただし、医師から「就労が困難」と診断されている場合など、一定の条件を満たすと「特定理由離職者」として、この給付制限期間なしに給付を受けられる可能性があります。

辞める前に、ハローワークや会社の総務担当に確認しておくことで、退職後の生活の見通しが立てやすくなります。

退職を決めたときに最初にやるべきことの全体像は、こちらの記事でまとめています。

よくある疑問Q&A

Q1. 五月病で辞めた場合、失業保険はもらえますか?

はい、受給できます。2025年4月の法改正により、一般的な自己都合退職の場合の給付制限期間は原則1ヶ月に短縮されました(ハローワーク登録後7日の待機期間+1ヶ月の給付制限)。

ただし、医師から適応障害・うつ病などの診断を受けており、就労が困難な状態であると認められれば、「特定理由離職者」として給付制限なしで受給できる可能性があります。退職後すぐにハローワークへ相談することをおすすめします。

Q2. 五月病は診断書がなくても退職できますか?

できます。診断書は退職の必須書類ではありません。退職届を提出し、就業規則に定められた期間が経過すれば退職できます。

ただし、診断書があると「上司と直接話さずに済む」「特定理由離職者として失業給付を早期に受け取れる可能性がある」といったメリットがあります。体調的に心療内科に行けそうなら、取得しておくと後の手続きが楽になります。

Q3. 「もう少し頑張れ」と言われています。どのくらい様子を見ればいいですか?

GW明けから1ヶ月を目安にしてください。1ヶ月経っても症状が改善しない、あるいは悪化しているなら、「様子を見れば治る」状態ではなくなっている可能性が高いです。

特に、眠れない・食べられない・出社前に体の症状が出るという状態が1ヶ月続いているなら、心療内科への受診をおすすめします。「もう少し頑張る」の判断は、医師に聞いてから行うのが安全です。

Q4. GW明けに休んだら、もう会社に行けなくなりそうで怖いです。

その感覚は、体と心が「もう限界です」と訴えているサインかもしれません。

「休んだら戻れなくなる」と恐れる気持ちはよくわかります。でも、無理に出社し続けて状態が悪化した場合、回復にかかる時間は何倍にも伸びます。1日休んで「やっぱりもう行けない」と感じたなら、それは正直な体の声です。まず心療内科に行くことから始めてみてください。

Q5. 退職代行を使うと会社にバレますか?

「退職代行を使った」という事実は、退職後に元同僚に知れ渡ることもあります。ただし、退職後に元同僚と関わる機会がどれほどあるか、を冷静に考えてみてください。

転職先の採用選考で「退職代行を使った」という情報が伝わることは、基本的にありません。個人情報保護の観点から、前職が転職先にそのような情報を伝えることは禁じられています。「バレること」よりも「今の状態を続けることのリスク」のほうが大きい場合がほとんどです。

まとめ:五月病は「辞めていい理由」になる

この記事のまとめ
  • 五月病で「辞めたい」と思うことは甘えではない。経験者の6割が同じ気持ちを持っている
  • 休日に楽しめない・2週間以上続く・体の症状がある、3つが揃ったら辞めることを真剣に考えていい
  • GW明け1ヶ月経っても改善しないなら、自然回復を待つより行動する時期
  • 短期離職は今の時代、転職で大きなハンデにはなりにくい
  • まず心療内科に行くことが、すべての第一歩になる

「五月病だから辞める」のは、逃げでも甘えでもありません。体が出しているサインに正直に向き合うことは、むしろ誠実な判断です。

私は9ヶ月で辞めて、10年後の今、穏やかに働いています。あのとき「辞めてはいけない」という声に従い続けていたら、今ごろどうなっていたかわかりません。

あなたの体と心の声を、一番大切にしてください。

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この記事を書いた人

35歳・会社員。10年前、入社9ヶ月で適応障害になり退職。現在は転職後の職場で10年勤続中。「あの時のわたしが知りたかったことを届けたい」という気持ちで、退職・転職の体験をもとにブログを書いています。

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